エリート御曹司の秘書兼、契約妻になりました
片想いは成就しなくていいから、ずっとこの人をそばで支えたい。そう思っていたのに……私が欲を出してしまったから仕事上の関係まで壊すことになってしまった。
こんな結末になるなら、最初から結婚なんてしない方がよかったのかな。
昨夜から何度自分に問いかけたかわからない疑問に再び頭を悩ませつつ、社長室のドアをガチャッと開ける。瞬間、前方から視線を感じて、パッと顔を上げた。
「大和さん……どうして」
戸惑って見つめた先には、デスクに肩ひじをついて顎を支え、鋭い眼差しをこちらに向けている大和さんがいた
彼が来る前に、できる限りの仕事を済ませて心の準備をしておこうと、いつもより早く家を出てきたはずなのに……。
「どうして? それは俺のセリフじゃないか? 叶未」
口調は穏やかだが、刺々しいオーラを纏った彼が、椅子から立ち上がる。私はドアの前で立ち尽くし、歩み寄ってくる彼を直視しないよう、思わず俯いた。
「あの離婚届がジョークだというなら、タチは悪いが許してやる。しかし、本気なら理解に苦しむ。きみは俺を嫌いになったのか?」