エリート御曹司の秘書兼、契約妻になりました

『あー、もしかして旦那様が構ってって? まったく、昨日泣いてたのはなんだったのよってほど仲がいいんだから。じゃ、電話切るわね』
「うん、ごめん……またね」

 私が電話を切ると、大和さんは待ちかねていたようにソファの前に回って、私の隣に腰を下ろす。よく見ると服は下半身のスウェットのみで、上半身は裸だった。

「や、大和さん、服……!」

 パッと目を逸らしてお願いするも、彼はお構いなしに接近してきて、私をソファに押し倒した。

 覆いかぶさる彼は垂れた前髪の隙間から煽情的な視線を向けてきて、心臓が早鐘を打つ。

「叶未がこの部屋に戻ってきてくれた。俺、その事実だけで欲情してる。たったひと晩、離れていただけなのに」

 大和さんの切なげな声や視線が、体の芯に火を灯す。見つめ合い、やわらかな唇同士が触れると、たちまちその熱は全身に広がった。

 キスをしながら急くように互いの服を脱がせ、素肌を擦り合わせる。大和さんの優しくも蕩けるような愛撫は、大事にされていることをいつも実感させてくれる。

 そのままの叶未でいい。そう言ってくれた彼を信じて、今夜は素直になりたい。

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