エリート御曹司の秘書兼、契約妻になりました
大学時代の恋人って、先輩たちが言っていたジュエリーデザイナーの彼女?
お母様も公認の仲だったんだ……。しかも、それ以来社長は恋愛に無頓着。やっぱり、今でもその人を想っているから?
ショックでお母様への返事を忘れ、ネガティブな思考にとらわれる。すると社長が私たちのもとにやってきて、お母様の手をやんわり私の腕からはずした。
かと思うと、なぜか私の肩にそっと手を置いて口を開いた。
「母さん、あまり彼女を困らせないでくれ。実は俺、観月……いや、叶未と結婚するつもりなんだ」
「えっ?」
今、社長はなんて? 空耳でなければ結婚って聞こえたけど。それに、なんでわざわざ私を下の名前で呼び直したの?
戸惑って見上げた先の彼は、澄んだ瞳でお母様をまっすぐに見つめている。
「なんだ、そうだったの~? やぁね、全然知らなかったから無粋なことしちゃったじゃない。観月さんの仕事ぶりは大和から聞いているから、あなたがお嫁さんなら安心だわ。お見合い、こっちでうまく断っておくわね」