エリート御曹司の秘書兼、契約妻になりました
「じゃあ、戻って部屋の片づけだな」
「はい。夕方までには終わらせましょう」
再び大和さんの運転でマンションに戻り、せっせと引っ越しの続きをした。
私に与えられた部屋は、八畳余りの洋室。窓際に置かれているセミダブルの天蓋付きベッドは、大和さんが私のために購入してくれたものだ。
フレームや天蓋は木製のアンティーク風で、繊細なレースのカーテンや寝具はシンプルな白。落ち着いた雰囲気で、よく眠れそうだ。
空いたスペースには、前のアパートから持ってきた、自前のローテーブルや姿見、化粧台や本棚が並んでいる。
大物家具の移動や配置は業者がやってくれたので、残る作業は、その家具に本や小物類を収納したり、備え付けのクローゼットに衣服をしまったりするこまごました作業だ。
社長が本棚に本を並べる作業を担当してくれているので、私は服をしまうことにする。
クローゼットの前に衣服の入った段ボールを運び、両開きの折り戸を開けた。