俺と妻と傷口
「それにずっとおかしかったじゃん!パーティーから」
「そうだね…ごめんね、心配かけたね……」
「何があったの?」
「先宮さんに言われたの。
最近仕事から帰った奏多から、香水の香りがしないかって」
「は?」
「確かに最近よくしてた。先宮さんの香水の香り。
普通は簡単に香水の香りつかないでしょ?香りが移るってことは、それくらい近くにいるってことだから……。
嫉妬したの。先宮さんに」
「そうだったんだ。でも先宮いつも香水くせーよ!
あんなに匂ってたら、移りそうだけどな?」
「でも、もういいよ!奏多の気持ち信じるから。
私のこと愛してるって言ってくれたし」
そう言うと、フワッと微笑んだ華恋。

「うん。愛してるよ!凄く」
「フフ…ありがと。私も好き━━━━
ンン……」
俺は華恋の口唇を奪った。
やっと華恋が笑ってくれて嬉しくて、愛しくて………


その日の帰りの車内。
「あ、力弥?」
『おっ!奏多?』
「今日さ、お前の店行っていい?」
『マジで!?もちろん、大歓迎!なぁ華恋ちゃんも連れて来てくれんの?』
「あぁ」
『マジで!?じゃあ久々に同窓会といくか!』
「は?翼達呼ぶの?」
『そうだよ!みんな喜ぶぜ!華恋ちゃんに会いたがってたしよ!』
「なんで、そこまですんの?俺は華恋とゆっくり飲みたいんだけど!」
『お前さぁ、結婚してんだからいいじゃん!取られる事心配しなくて……。
とにかく、呼ぶから!』
「ちょっ…おい!力弥!
マジかよ………」
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