俺と妻と傷口
暴走族

【姫君】

力弥や翼達は、暴走族の仲間だ。
今でもみんな仲良く、全く別々の仕事しているが、時々力弥の店で飲み会をしている。
ちなみに力弥はバーを経営しているので、飲む時はいつも力弥の店で集まっている。

いつもは華恋は連れていかない。
だって、もったいなくて見せたくねぇし。

俺と華恋の、結婚式の二次会はほんと大変だった。
力弥のバーを貸し切って、仲間達がしてくれたのだが、みんな華恋に群がるように囲み俺は全く気が気でなく、楽しめなかったから。
それから、みんなに会わせないようにしてきたのだ。
中でも力弥は、幼なじみなのもありその辺をしっかりわかってくれているので、時々華恋と二人で飲みに行ったりしているのだ。

何はともあれ、億劫だ。
華恋は俺のモノなのに…………

家に帰りつき、玄関を開ける。
「ただいま、華恋~」
「おかえり~」
「え━━━
華恋…なんだよ?その格好!」
「え?なんだよって?」
可愛すぎる……。
こんなの奴等に見せらんねぇ。

「着替えて来て!一緒に服決めよ!」
「そう?少し位…おしゃれしてもいいじゃん?この服前に可愛いって言ってくれたでしょ?」
「うん。可愛いよ!ヤバい位に。でも今日はダメ!」
「力弥くんに会うだけなのに、なんで?」

「いや、久しぶりに翼達も呼ぶことになってさ」
「そうなんだぁ。久しぶりだね!」
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