癒しの君と炎の王 2~炎の王は癒しの娘をさらに溺愛中~
家の外では、ハリスがジョンにお金が入った小袋を渡そうとしていた。
「ソフィア様がお世話になりました。」
「いえいえ、当たり前のことをしただけです。受け取れません。」
と、断ると、
「昨晩から今朝にかけての口止め料です。我々が来たことも口外しないでいただきたい。」
「そういうことなら…分かりました。」
と言ってお金を受け取った。
先程の様子を見ていたアンが、馬の手綱を調整しているハリスに話しかけた。
「お金の管理まで大変ですね。」
「アンか。見られてしまっていたか。君たちが予定より早く出発したから、護衛共が君たちを見失って、見つけるのに苦労したらしいよ。」
「ソフィア様が張り切ってすぐに出発するっておっしゃって。」
「だからか。護衛が探し回って、やっと居酒屋で見つけたと連絡をもらってね。その後ここに泊まっていたことも分かっていたんだが、ロエルの計らいで、ソフィア様にとってブラスト城には、いい思い出がないだろうからと、様子をみていたんだ。とにかく、無事で良かったよ。」
シルバーさんがいなかったらどうなっていたことやら…。
と、アンは思った。黙り込んだアンにハリスが再び話しかけた。
「アン。」
「は、はい。」
「帰りは俺の馬に。」
「え?」
「予約したからな。」
「ええ。」
と、アンは赤くなりながら返事をした。