カタブツ竜王の過保護な求婚
北扉でランタンを手に持ち待っていたのは四人の騎士。彼らもまた、偽者なのだろう。
比較的出入りの容易いユストリス王城ではあったが、これほどに潜伏者がいることにはカインの不思議な力のことを思い出して疑問を覚えた。
それともアルクネトの混乱に乗じたのだろうか。
もやもやしたものを抱えながらも、レイナは守衛兵に微笑みかけて扉を開けてもらい、偽騎士に続いて外へと歩み出た。
途端にあたたかい夜気がレイナを包む。
新月の今夜は闇が深く、四つのランタンだけでは頼りなく感じられた。
ランタンを持った四人の偽騎士が一行を囲み、レイナの指示で北庭を抜け、まるで森のように鬱蒼と茂る木々の間の小道を進む。
暗闇に目はずいぶん慣れてはきたが、歩みに合わせて揺れるランタンの光が小道に不思議な影を作り、足元をおぼつかなくさせていた。
実際、カミーラや夫人は何度かつまずき、息を切らしている。
偽騎士たちはさすがと言うべきか、確かな足取りだった。だが、レイナたちに対して集中力を欠いているのは間違いない。
(今が好機かも知れない……)
カインに初めて案内してもらった日から、この小道を毎日歩いて恵みの園へと通っているのだから。
今は暗くて狭くて不安定に思えるけれど、本当は十分に踏みならされた道であることを知っていた。それは、アンヌとラベロも同様で、足取りはしっかりしている。
(今が好機……?)
もう一度考えて、打ち消した。