シークレットベイビー② 弥勒と菜摘
✴︎
そっとドアが開いて、廊下の電気を背に、背の高い彼の影が部屋の中に長く伸びる。
どんな電気の反射なのかよくわからないけど、空いたドアの縦の隙間の光と、それが切れた形で長く天井にも映って、床にも。
そこに長く伸びる弥勒の影。
「どうしたらいいのかな」
と困ったように弥勒が言った。
「どうも出来ません、
私の問題です」
って、なんか情けなくもじわじわ涙が滲みながら横を向いた。
「弥勒さんなんて」
顔も見れない。
やだやだ
弥勒が菜摘の隠れるベットに来て覗き込む。
一子は寝たままかな、起きててもこんな状態だったら、多分、一子は寝たフリをするような子だ。
「菜摘、」
「⋯⋯ 」
「オレの部屋行こ? 」
「⋯⋯ 」
「話そ? 」
「⋯⋯ 」
「じゃないと、ここに一緒に寝るよ? 」
それは⋯⋯ 一子の小さな姿が見えて、渋々起き上がったら、弥勒が腕を伸ばして、引っ張られた。少し強引に。
赤ちゃんみたいに抱っこされた、菜摘の頬に自分の頬をおしあてながら、弥勒の部屋に連れて行かれた。
そっとドアが開いて、廊下の電気を背に、背の高い彼の影が部屋の中に長く伸びる。
どんな電気の反射なのかよくわからないけど、空いたドアの縦の隙間の光と、それが切れた形で長く天井にも映って、床にも。
そこに長く伸びる弥勒の影。
「どうしたらいいのかな」
と困ったように弥勒が言った。
「どうも出来ません、
私の問題です」
って、なんか情けなくもじわじわ涙が滲みながら横を向いた。
「弥勒さんなんて」
顔も見れない。
やだやだ
弥勒が菜摘の隠れるベットに来て覗き込む。
一子は寝たままかな、起きててもこんな状態だったら、多分、一子は寝たフリをするような子だ。
「菜摘、」
「⋯⋯ 」
「オレの部屋行こ? 」
「⋯⋯ 」
「話そ? 」
「⋯⋯ 」
「じゃないと、ここに一緒に寝るよ? 」
それは⋯⋯ 一子の小さな姿が見えて、渋々起き上がったら、弥勒が腕を伸ばして、引っ張られた。少し強引に。
赤ちゃんみたいに抱っこされた、菜摘の頬に自分の頬をおしあてながら、弥勒の部屋に連れて行かれた。