シークレットベイビー② 弥勒と菜摘
✴︎



石動家の親戚の集まり。

弥勒の妹に会った。
わたしにうり二つ。
自分がいるのかと思った。
弥勒みたいな顔で、外国人みたいで⋯⋯ 恐ろしく能天気な感じの人⋯⋯ 見た瞬間、あ⋯⋯ この人⋯⋯ って、体が言った。

その人も、あっ、この子⋯⋯ って顔をした。丸わかり。

あの人にしては頑張ってると思う。
一言も言わないから。

でも、凄く凄くうれしそうに、そそそっと近づいてきて、ぐるぐる私の周りを回って、うふうふ、って笑った。

『うふふふふふ、一子ちゃん! 可愛いいわね!!!!! 』

不気味だ。

普通、実の親の対面なんて、もっと大事(おおごと)だろうに。
この能天気さ。
でも自分も同じだ、能天気。
だからわたしは、何でもなく、体の中から溢れちゃうみたいに、

ふはっ

って笑った。
まぁ、この人にも弥勒達にも愛されてるのはわかるから、私は歪んだりはしなさそうだ。
満ち足りてる。
愛で。

< 55 / 72 >

この作品をシェア

pagetop