シークレットベイビー② 弥勒と菜摘
✴︎



真っ直ぐ近くに寄っていって、彼を見上げた。
黙ったまま。

彼は口だけ笑っている。

廊下で会った。あの時から。

時間がある限り、全部の時間を彼に会うことに使った。
彼を探して、近くに行く。何度もそばに寄っていって、見る。
同じクラブに入部した。

追い回してる。

彼の空気を感じにきてる。

学年で座って自己紹介した。全部員12人。基本、自由に絵を描いて、学祭で展示する活動。
彼は2つ上の学年だった。

自己紹介の後すぐ、彼のそばにまた行って座った。
彼は自分の名前の事を言った。


籭 十織(とおし とおり)。へんだろ」

「なんかべんり」

「うん」


と彼は頷いてから、フッてちょっと気持ちが入ったかんじで笑った。


「便利か」


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