アンチテーゼを振りかざせ



『結末だって、別に、予想通りだし。
その後も全然くっつかない2人にヤキモキして、
もう早くまとまってよ、って、思ってたくらいだし、』

桝川さんに抱く感情に、雁字搦めになって泣くのを必死に堪えて。
瞳をあの時と同じように瞬かせて誤魔化す頼りなさを見たらもうなんか、抱き寄せたくて仕方なかったし。




隙の多いこの女に近づく変な男に1人、馬鹿みたいにハラハラして。
頑なに走ることを避けていたのに、バイト終わりにあっさり駅まで全速力で追いかけていた。

『"助けてくれてありがとう"代。』

炭酸のジュースをつっけんどんに渡してきて、急にそういうこと言い出すし。




『…私は、

もうずっと"カルピスサワー"で良い…っ、』


泣きながら弱音は、吐くくせに。

頑なに俺を抱きしめ返したりしない、
自分よりも随分小さくて華奢な女。



___こんなんもう、可愛いに決まってんじゃん。

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