アンチテーゼを振りかざせ
カラカラに乾き切った喉で、それでもこのまま黙っているわけにはいかないと自分を奮起させる。
事態を終息させるためには、
やっぱり謝罪しか無いのだろうか。
作成したリーフレットは間違いでしたと。
あたかも認める言葉を、
私は自ら言わないといけないのかな。
鼻の奥がツンとして涙腺が刺激される。
だんだん分厚くなる瞳の膜のせいで、ぼやける視界をなんとか抑えようと瞬きを必死に増やし、頭を下げようとした時。
「___それ、僕が原因ですね。」
あまりに優しく空気を撫でるような声が、私のすぐ後ろで聞こえた。
「…ほむさん…、」
彼は穏やかな表情のまま私に微笑んで、そのままゆっくりと目の前の男性のパソコンを覗きこむ。
そして、「ああやっぱり」と確かめるように呟いて
「僕が課長に、この件を保城さん達にも知らせるようお願いされていたのに失念していました。
申し訳ありません、早急に対応します。」
深々と頭を下げた彼を呆然と見つめる。
あまりに流れるような動作に、口を挟む隙もなかった。
だけど、脈拍は忙しなく乱れたまま。
どうして、ほむさんが頭を下げるの。
___"コンペの時からの、リニューアルを請け負ってくださってる○○さんとのエピソードも発信しませんか。"
あのリーフレットの内容について発案をしたのは、紛れもない私なのに。