訳あり無表情少女と一途な幼馴染 〜裏の仕事〜
もう一眠りしようとしたが、眠れない
水を飲もうと廊下に出ると、少し先に酒向が

「酒向」

声を掛けながら歩み寄る
酒向が振り向き

「蓮様、おはようございます」
「おう ってかお前、何でここに居るんだ」
「? はい?」
「栞はとっくに仕事に行ってる。昨日も一緒だったろ…」
「ああ、自分はここで情報収集をします
 昨日は確かに一緒でしたが送り迎えのみです、栞さんが知らない場所でしたので
 今日からは栞さんのみです」
「送り迎えだけ、ねぇ…」
「? 蓮様?」
「酒向」
「はい」
「お前と栞には、強い信頼関係があるのは分かってる
 …けどな?」

酒向に目を合わせる

「度を過ぎる行動には気を付けろ」
「…え?」
「栞は俺の女だ。例えテメェでも許さねぇ」

酒向は目を瞬かせる

「れ、蓮様?一体、何の話を…」
「とぼけんな、俺は昨日見たんだよ
 今後、また同じ事をしたら、ただじゃおかねぇ
 いいな?」
「………、はい…」

俺は踵を返し、部屋に戻る


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