【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜
◇ ◇ ◇
「お、終わった……!」
コピーを取ってまとめてホッキキスで止めて、ようやく終わった。 ふと時間が気になり時計を見ると、時刻はすでに21時30分を回っていた。
「え、もうこんな時間……」
誰もいない社内を見回すと、ちらっと人影が見えた。
「……え」
誰かいるの……? でも、この時間なら警備員さんかな……?なんて思いながらも、パソコンの電源を切って帰る支度をした。
その時だった。
「奈都」
わたしを呼ぶ声が聞こえた。
「え? さ、五月女社長……!?」
なんで五月女社長がここに? もうとっくに帰ったんじゃなかったの……?
「これ、差し入れ」
「え?……あ、ありがとうございます」
五月女社長は差し入れと言って、コンビニの袋を渡してくれた。その中には、コンビニで買ったであろうおにぎりやお茶、プリンなどが入っていた。
「残業お疲れ様、じゃあ。明日もよろしく」
五月女社長は、そのままそれだけ言って社内から出ていこうとした。