【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜

妊娠報告&プロポーズ




 夏が過ぎ去り、まだ夏の余韻が残る秋の始め。わたしたちはそれと同時に、本格的に咲哉さんの家での同棲を開始した。

 半同棲から本格的な同棲に切り替わって、生活のスタイルも変わったわたしたちは、本格的に結婚というものに意識を強めていったのだった。

 毎日朝食や夕食を作り、リビングでテレビを見てまったり過ごしたりと、わたしたちらしい生活を送っていた。 そして夜も、毎日のように咲哉さんに体を求められていた。

 そんな咲哉さんとの生活をしていくうちに、わたしは次第に奏人のことを思い出すことも少なくなった。 咲哉さんだけを見て、咲哉さんだけに抱かれて。そして咲哉さんだけに溺れた。

 こうして過ぎ行く日々も、わたしにとってはかけがえのない宝物になっていた。咲哉さんと暮らすこの家での生活は、わたしには合うかどうかなんて分からないけど……。それでもわたしは、彼との生活に本当に幸せを感じていた。

 そして、そんな日々が続いたある日のことだった。
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