騎士(ナイト)に チェックメイト
「ささ、いっぱい食べてね」
「はい!いただきます」
「いただきます」
お母さんは料理上手で時間をかけずに美味しい料理をチャチャっと作れてしまう。
私もお手伝いはするけど、なかなかお母さんの味は再現が出来ないから悔しい。
「さくら以外の人に食べてもらうの久しぶりだから気合い入っちゃった」
トンカツに生ハムサラダにお漬物、お味噌汁と白米
「めちゃくちゃうまいっす」
「よかったわあ〜男の子に食べてもらうの初めてだからメニューに困っちゃって」
お母さんがいつもより楽しそうで私まで嬉しくなった。
「お母さんなんか楽しそうだね」
「そう?こんな素敵な男の子がさくらの彼氏みたいでお母さん嬉しいんだもん」
「ちょっ、ごほっ、お母さん‼︎」
「ごめん、嘘ようそ!」
「もお、やめてよ。樹くんごめんね。お母さんが変なこと言って」
「ううん、俺も楽しいです。お袋死んでからこういう料理を家で食べる事少ないから、なんか染みます」
「今度からはいつでも食べにきてね。毎日来てくれても構わないからね」
「はい、ありがとうございます」