騎士(ナイト)に チェックメイト


あの女の子が言っていた様にもう何日経ったのかわからない。
もしかしたら予選も終わってしまっているのかもしれない。


あのお仕事とやらはあれから毎日の様に行われた。



お母さん、ごめんね。心配で仕方ないだろうな。
樹くんもごめんね。あの時外に出なければ。
こんな身体じゃ生きて帰れたとしても樹くんの元には帰れないや。
樹くんも嫌だろうな、こんな汚い身体。

何故私がこんな目に合わなければいけないのだろう。
逃げられる可能性はゼロに近い。


もう嫌だ。
どうやったら、どうしたらこの地獄から抜け出せるのだろう。





死ぬしかない。







でも死ぬ術がない。







逃げられない。












こうしてさくらも声を失った。

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