秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
出かける直前になって晴馬がおトイレをしてしまったから、おむつ替えにてんやわんやだった。最近の晴馬は暴れん坊で、大人しくお尻を拭かせてくれないから大変だ。

私の乾いた笑い声を聞いて、涼晴はその苦労を察したようだ、お疲れ様という顔で頭を撫でてくれる。

後部座席に設置したチャイルドシートに晴馬を乗せてやると、少しわくわくした顔でひょこひょこと体を動かした。早く車を走らせてと訴えているらしい。

「茜音はどうする? 晴馬と一緒に後部座席に乗るか?」

「そうだね。涼晴の車で初めての遠出だし」

隣にいたほうがいいだろう、そう思ったのだが、車が走り出して五分と経たないうちに晴馬は熟睡してしまった。車の振動がちょうどいい揺り籠になったのかもしれない。

「晴馬は動物園に行くの、初めてか?」

涼晴がバックミラーを使ってこちらをちらりと覗き込む。

「うん。近所のネコには興味津々だから、喜んでくれると思うんだけど……」

「同じネコ科でも、動物園にいるのはライオンだからな。びっくりするだろう」

「そうね。どんな反応するかな」
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