秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
私はすっかり戸惑ってしまい、話に入れないでいた。

「そうだ。涼晴、このあとはどうするんだ? 時間があるなら、久しぶりに三人で夕食でも食う?」

兄があっけらかんと涼晴を食事に誘ったから、私は慌てて「お、お兄ちゃん! 急には迷惑じゃない!?」と思い留まらせようとした。このままでは、このお弁当が私と兄のものだとバレてしまう。

「ああ、違った。三人じゃない。今は晴馬もいるから四人だな」

晴馬の安らかな寝顔を眺めて兄は訂正する。ちがうちがう、訂正してもらいたいのはそこじゃない。

案の定、涼晴は怪訝な顔をしている。

「四人って……茜音ちゃんの旦那さんは?」

予想通りの質問が来て、どうごまかそうかと言い訳を見繕っているうちに、「ああ、旦那はいないんだ」と兄が先に答えてしまった。

「こいつの旦那――っていうか、晴馬の父親は、結婚する前に亡くなってて」
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