秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
部屋に荷物を置いてきた私は、お弁当を手に、マンション一階の共有ラウンジへと向かった。

住人なら誰でも使用できるスペースだ。広々とした空間に大テーブルがひとつ、個別のテーブルが六つ。

隣にあるカフェでドリンクを買って持ち込む人が多いけれど、たまにコンビニで買ったようなペットボトルやお菓子を持ち込んで仕事をしている人なんかもいる。

でも、さすがにお弁当を持ち込む人は少ないかもしれない。

「よし、誰もいない!」

無人であることを確認した私たちは、一番奥にある四人掛けのテーブルに買ってきたお弁当を広げた。

共有ラウンジを使おうというのは、涼晴さんの案だ。

「わざわざ共有ラウンジなんて使わなくても、うちで食べればいいのに」

兄が一緒のときのように家に上がってくれればいい、そう思ったのだけれど、涼晴さんは真面目な顔でダメだよと私を叱った。

「ひとりでいるとき、男の人を家に上げちゃだめだ」

「だって涼晴さんはお兄ちゃんの――」

「気を許しすぎ。お兄さんの友人だからって信用しちゃダメだよ。もちろん、俺だけじゃなく、お兄さんの友人全般ね」

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