秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
やがて「藍葉さん、どうぞ」というちょっと固めの声が聞こえてきた。カルテを見た時点で、患者が私であることには気づいているだろう。
私は憂鬱な声で「はい」と答えて診察室の引き戸を開ける。
診察室に入ってきた私と兄の姿を見て、涼晴は完全に目を丸くした。
「ふたりして、どうしたの?」
呆れたような声で尋ねられ、途端に恥ずかしくなる。この歳になってまで兄についてきてもらうなんて、かなりのブラコンだと思われているだろう。
兄に至っては、シスコンであるという羞恥心をまったく持ち合わせていないらしく、堂々と付き添い用の丸椅子に腰を下ろした。
「涼晴こそ。昨日帰国したばかりなのに、もう外来にいるとは思わなかった」
「俺もだ。二年前もここにいたんだから、慣らし運転は不要だろうって、問答無用で突っ込まれた。まったく部長は相変わらず人使いが荒い」
「こっちは助かったけどな。茜音を診てやってくれ」
兄は引き戸の前で小さくなっている私を引き寄せ、患者用の丸椅子に座らせた。私はおずおずと左足の靴と靴下を脱ぐ。
私は憂鬱な声で「はい」と答えて診察室の引き戸を開ける。
診察室に入ってきた私と兄の姿を見て、涼晴は完全に目を丸くした。
「ふたりして、どうしたの?」
呆れたような声で尋ねられ、途端に恥ずかしくなる。この歳になってまで兄についてきてもらうなんて、かなりのブラコンだと思われているだろう。
兄に至っては、シスコンであるという羞恥心をまったく持ち合わせていないらしく、堂々と付き添い用の丸椅子に腰を下ろした。
「涼晴こそ。昨日帰国したばかりなのに、もう外来にいるとは思わなかった」
「俺もだ。二年前もここにいたんだから、慣らし運転は不要だろうって、問答無用で突っ込まれた。まったく部長は相変わらず人使いが荒い」
「こっちは助かったけどな。茜音を診てやってくれ」
兄は引き戸の前で小さくなっている私を引き寄せ、患者用の丸椅子に座らせた。私はおずおずと左足の靴と靴下を脱ぐ。