秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
「夕べ、気がついたら腫れていて。とくに捻ったり、痛めるようなことをした覚えはないんですが……」

涼晴が診察用の足置きを出してきてくれる。右足も頼むと言われ、左右並べるようにして置いた。

比べてみるとはっきりとわかる。左足だけパンパンに腫れてまるで象の足のようだ。昨日よりいっそうひどくなっていた。

私の足に手を添えて、涼晴が診察を始める。足首を軽く捻ったり伸ばしたりして「痛む?」なんて尋ねながら触診した。

「一番痛いのは……ここで」

私が指差したのは、くるぶしから二センチぐらい内側。心なしか小さく爛れていて、そこを起点に腫れ上がっているようにも感じた。

「……これは捻挫や痛めた類じゃなさそうだ。傷口があるところから見ても感染症だろう」

「感染症?」

「蜂窩織炎と言って、傷口などから入り込んだ菌によって起きる感染症だ。この爛れている部分から菌が入ったんだろうね」

兄がまじまじと顔を寄せて「なるほどなー」と患部を見る。しかし、怪我なんてした覚えのない私は首を捻っていた。

「傷なんて、いつの間に……」
< 59 / 205 >

この作品をシェア

pagetop