偽りの夫婦
「え……でも、身体が…動か━━━━
キャッ……!!」
「ちょ……紫龍!?」
寧々は恐ろしさで身体が固まり動けず、紫龍に腕を掴まれ引き剥がされた。
その場に尻餅をつく、寧々。

「は?
“コレ”が俺の言うこと聞かないからでしょ?
てか、陽愛…帰るよ!」
「え……、でもまだ仕事中━━━━━」
「あ?
何?俺に口答え?いいの?そんなこと言って……。
このまま無理やり連れ帰って、監禁されたい?」
「あ……ご、ごめんなさい…!
じ、じゃあ…店長に一言、言って来る……」
「必要ない…。
行くよ!」
そのまま引っ張られ、待機していた車に乗せられた。

「あの…紫龍!
ごめんなさい…!お願い、私の話を聞いて?」
必死で懇願する、陽愛。
「許さないよ…」
「え……ごめんなさい……」
陽愛はあっという間に目が潤み、涙が溢れる。

「泣いても、ダメ……
とりあえずその服、脱いで?」
「え?でも…着替え、ショップにバックごと置いて出たから」
「いいから、脱げよ……」
「うん…」
ビクッとして、震えながら陽愛が服を脱ぐ。
車の中で、下着姿になった陽愛。
「手…どけて?」
恥ずかしさのあまり、両手で身体を隠していた陽愛。
ゆっくり手を下ろす。

「綺麗……陽愛…」
「んん……や…あ…」
紫龍の手が首筋に触れ、鎖骨へと下に滑っていく。
「こんな綺麗な陽愛を見れるのは、俺だけでしょ?」
「うん…紫龍、だけ……」

「あんな短いスカートまではいて……
この綺麗な足も俺だけのモノでしょ?」
陽愛の太ももに触れる。
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