帝王と私~Darkness~
「ん…朝か……。
やっぱ、いないか…貴将さん」
ゆっくりベットを下りて、テーブルに向かった弥生。

「え……ジュース、空?」
バッとテーブルに駆け出し、手紙を見る。

【弥生。ジュースご馳走さま!おかげで元気が出たよ。今日は帰れそうだから、いっぱい愛し合おうね】
と、書かれていた。
「帰ってきてたんだ!起こしてくれればよかったのに……。
……って、逆でもそんなことしないか……!」

貴将の書いた文を指でなぞる。
その文を見るだけで、涙が出る。
「貴将さん……」

コンコン━━━━!
「失礼します。朝食をお持ちしました」
「はい、ありがとうございます!」
丁寧に並べてくれる。
「いつも美味しそうですね!また太っちゃうな……」
「フフ…」
「え?」
「可愛らしいなぁと思って…」
「そんな…恥ずかしい……」
「たくさん食べてくださいね!
きっとその方が社長、喜びますよ?」
「はい」

一人での食事は寂しい。
でも今日は貴将の書いた文を見ながら、幸せな気分で食事をした、弥生だった。


「何?それ?」
「ん?手紙!」
「今時手紙~?」
「いいの!私にとっては宝物なの!」
「フフ…可愛い~弥生ちゃん!」
「もう///栞奈!からかわないで!」
「ところで、弥生?」
「ん?」
「少しお肉ついた?」
「え…?嘘……。
痩せなきゃ……怒られる…」
急に怯え、震え出す弥生。

「え?弥生?ごめん!違うの!そうゆうつもりで言ったんじゃ………ごめんね…。
私的には、もう少しお肉つけた方がいいと思ってたから……」

「あ…そうだよね?ごめんね…私こそ…。
ただ、ちょっとトラウマになってるの。晋平くんのこと」
フゥーと一息つき、悲しそうに笑う弥生だった。
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