帝王と私~Darkness~
「帝王は“痩せろ”なんて言わないんでしょ?」
「うん…どんな私でも好きって言ってくれるよ…!」
「だったら、いいじゃん!」
「そうだね…」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
部屋に着きドアを開けると、
「弥生」
貴将が、微笑んで部屋にいた。

弥生は思わず駆け寄り、
「あ、貴将さん!おかえり~」
「え?」
「あ、あと!ジュースありがとう!」
「プッ!
ハハハッ━━━━!!」
急に笑い出す、貴将。

「え?貴将さん?」
「弥生、わかってる?その発言…」
「え?」
「“おかえり”も“ありがとう”も俺のセリフ!」
「あ…そうだね(笑)!確かにおかしいね(笑)」
「じゃあ…言わせて?
弥生、おかえり!
ジュースも美味しかった!ありがとう」

「うん!」
「ご飯食べよっ!」
「うん!今日も美味しそうだね…!」
「たくさん食べなっ!」
後ろから抱き締められ、一緒に食事をする。

「弥生、だいぶ肉ついてきたな…」
「え……?」
「よかった。いつも、折れそうで心配してたんだ」
太ったってことだよね…?
また昔のことがフラッシュバックする。

【お前…また太ったな!ほら、ここ!】

「ごめんなさい!!!すぐ痩せるから!!!
嫌いにならないで…?」
バッと振り向いて、貴将に懇願する弥生。
軽いパニック状態だ。

「え…?弥生?」
「お願い!すぐ、痩せるから!」
「弥生!!!落ち着いて!?大丈夫だよ!
俺を見て…!」
弥生が貴将を、見上げる。

「大丈夫、大丈夫だよ……」
貴将が両手で、弥生の頬をはさむ。
「あ…貴、将さ…ん」
「アイツはもういないよ?」
「うん…」
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