帝王と私~Darkness~
浴槽内で、向かい合い貴将の膝の上に乗っている弥生。
「今日から一週間ずっと一緒にいられるよ?
弥生の会社に休む連絡してあるから、いっぱい愛し合おうね!」
弥生の口唇、頬や額にキスしながら、貴将が言った。
「え…?貴将さんは?」
「もちろん、俺もだよ!」
ニコッと微笑んだ、貴将。

「嘘……夢みたい…。
一週間も貴将さんと一緒にいられるなんて…!」
「うん……俺も…でも、夢じゃないよ…!」
涙が溢れる弥生。
それを指で拭ってくれる、貴将。
二人にとって、一緒にいれる時間は貴重なのだ。

お風呂から出て、いつものように後ろから貴将に抱き締められて、食事をする。
今日はいつもより幸せに感じる弥生だった。

「弥生、はい!あーん…」
「フフ…あーん!
ん!美味しい!」
「可愛い、弥生。なんか子どもみたい」
「なっ…!失礼な!私は立派な大人です!」
「どの辺が?」
「え?どの辺って……ちゃんと働いてるし、もう25だし。
…ってそうゆうのが、子どもみたいだよね(笑)!」
「なんかこうやって過ごすだけで、幸せだな!」
「うん…」

「弥生、今日…どうしたい?」
弥生の顔を覗き込んだ貴将が、フワッと笑う。
「うーん…デートしたいな!貴将さんと外に行くこと、あんまないから……」

「そうだね…!じゃあ、ゆっくり用意して行こうか?」
「うん!」
お互い着替える。
「………」
「………」
「貴将さん……カッコいい!スーツ以外ってあんま見たことなかったから、よけいに素敵…!」
かなりラフな格好な貴将。
ジーンズにパーカーなのに、なぜ!?
カッコよ過ぎる。

「弥生は…着替えて?」
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