研究員たちの思春期〜恋の仕方が分かりません!〜

8.モツ煮

土曜日。
研究室から家に帰らないで駅に向かう。

日が暮れるのが早くなった。
もう17時過ぎると真っ暗になる。

人がチラホラと散らばってる駅構内。

柱の側にその姿を見つける。

「すみません、遅れちゃって」

そう言うと高尾さんは笑った。

「全然平気」

この間はスーツだったけど今日は私服だ。

「何か食べたいものあった?」

歩き出しながらそう聞いてきた。

「すみません、考えてなかったです」
「じゃあ横丁なんだけど、すーごい美味いモツ煮込みの店あんの、そこ行っていい?」

慣れたような足取りと口調。

「はい、ぜひ」と答えると、まっすぐ横丁に向かった。

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