研究員たちの思春期〜恋の仕方が分かりません!〜
年末年始の休みが明けた。

いつもの研究室。
「今年もよろしく」と新年の挨拶を交わす。

全国各地のお土産が集まる。
私はあげるものがないけど。

少し遅れて理仁が研究室に現れた。

手には大量の印刷した資料。

ザッと研究室を見渡して、ニッと笑顔になる。

「俺たちの論文ができましたー!」

理仁の報告に、ドッとみんなが盛り上がった。

近くにいた李さん、ガルシアさんとハグをし合う。

「You did it!(やったね!)」

ガルシアさんから向けられた言葉に、理仁は首を横に振った。

「Not me,Tamaki did it(僕じゃない、環だよ)」

そう言って私と目が合う。
研究室の全視線が私に集まった。

思わず首を横にブンブン振る。

「みんなでしょ?」

理仁が「そうだね」と同調した。

「皆さん、おつかれ様でした」

その一言で、またその場が盛り上がった。

完成したばかりの論文がみんなに配られる。

ずっとパソコンのディスプレイで見てばかりだった論文が、ちゃんと形になってる。

宝物のように思えた。
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