身を引くはずが、一途な御曹司はママと息子を溺愛して離さない
「でも、今日一日美桜と冬真と一緒に過ごしてわかった。美桜は冬真にたっぷりと愛情を注いでいるし、冬真もその愛をしっかりと受け取っていると思う」
はっきりとそう告げて、柊一さんが言葉を続ける
「園内を移動しているときもふたりで手を繋ぎながら楽しそうに話をしていただろ。それに、美桜が作ったお弁当を冬真が嬉しそうに食べている姿や、ふたりでソフトクリームを食べさせ合っている姿を見て、お前たち親子の仲の良さが伝わってきた。美桜の冬真への愛情が足りていないなんて俺は思わない」
柊一さんの手が不意に私の両手に重なった。そのまま私の目を見つめながら優しく微笑む。
「もしも今度なにか心無いことを言われても、俺は美桜の味方だ。ひとりで抱え込まないで俺を頼ってほしい。だって俺が冬真の父親だろ?」
改めて問われて、私は迷わずに大きくうなずいた。すると、私の手を包む柊一さんの手に力がこもり、ぎゅっと握られる。