クールな完璧先輩は推し活女子を溺愛する
スウっと、深呼吸して何とか落ち着く。

「さあ、ノックして菅原先輩に失礼のないようにして……。そして、こ、個人レッスンしてもらって──」

声に出して言ってしまうと、途端に心臓の鼓動が高鳴る。

落ち着くために深呼吸したのにまったくのムダである。

なぜ〈個人レッスン〉という響きは甘くてどこか危険な香りがするのだろう……。

その言葉を口にするだけでドキドキと自分の心臓が手のひらで踊っているような錯覚すら覚える。

「ノックしよう……とにかくノックしないと始まらないよ……」

魅亜がひとり言をいいながら意を決して校長室のドアをノックしようとしたその時、ドアは唐突にガチャリ!と音を立てて中から開いた。
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