内緒の赤ちゃんごとエリート御曹司に最愛を刻まれました~極上シークレットベビー~
 そう言って彼は、ネックレスに口づける。
 そして東京タワーが真っ赤に染まったあの夜に、祐奈にくれた思い出の言葉を口にした。
「俺は生涯、祐奈を愛する。……誓うよ」
「っ……!」
 祐奈の目から熱い涙が溢れ出す。
 かつてのあのアパートでも彼は同じことを言ってくれた。
『君はあの東京タワーを亡くなったお父さまだと言う。だったら俺はあの東京タワーに誓う。君を生涯愛し続ける。』
 そしてその夜、ふたりははじめて結ばれた。
「大雅……」
 祐奈の目から止めどなく溢れ出る雫が、頬を伝い、胸元の赤い石を濡らしてゆく。
 愛してる。
 愛してる……!
「祐奈……」
「ん……!」
 涙に濡れる唇が、大雅の吐息で塞がれる。すべてを溶かす彼の熱が、心の奥底まで入り込み、祐奈の中をかき回す。
「ん、んんんっ!」
 その熱に無我夢中で縋り付き、ようやく祐奈は確信した。
 彼となら、明るい未来を見つけられる。
 誰かを憎むことでしか生きられなかったつらい過去を、乗り越えてゆけるはず。
 彼となら……!
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