内緒の赤ちゃんごとエリート御曹司に最愛を刻まれました~極上シークレットベビー~
「まだまだ暑いわねー」
カラリと晴れた空を見上げて、母寛子が目を細める。
そして祐奈を振り返って、微笑んだ。
「晴れてよかったわ」
先週からずっとスッキリしない天気だった。まるで祐奈の心を表すかのように、雨は降ったり止んだりを繰り返していたが、今日は久しぶりに太陽が顔を出した。
宇月町の外れにある小高い山の斜面に整備された砂利の階段を、祐奈は大和を抱いて、母とともに上っている。
今日は父の命日である。
金曜日だが祐奈は休みを取って、父のお墓にやってきた。
しばらく続いた長雨のリベンジとばかりに照りつける太陽に、こめかみから汗が伝う。腕の中の大和はご機嫌だが、とにかく息が切れた。
「大和、ママ疲れちゃったみたい。ばあちゃんが抱いてあげる。ほらおいで」
はあはあと息を吐いて立ち止まってしまった祐奈に、寛子が大和に向かって手を伸ばす。
大和が嬉しそうに小さな手を広げて寛子に抱かれた。
「ちゃんと寝て、ちゃんと食べないから、体力が落ちてるのよ」
母はそう小言を言って、大和を抱いて先を行く。
祐奈は、その背中を見つめながら汗を拭った。
奈々美から大雅についての話を聞かされてから、一週間が過ぎたが、祐奈は前にもまして眠れない夜を過ごしている。食事もろくに喉が通らない。
あの取引の日の朝に『話がある』と言っておきながら、その話をしようともしない祐奈に、母はなにも言わなかった。けれどやはり心配をかけているのだ。
もう子供も産んで母親になったのに、申し訳ないと心から思う。
でも、だからといってどうすればいいのか、自分でもわからなかった。
祐奈の胸に輝くガーネットの東京タワーに、大雅が再び愛を誓ってくれたあの夜が遠い遠い昔のことのようだ。彼と再会して過ごした日々は、夢の中の出来事だったのでは?と思うくらいに。
あれは、彼が自分に与えてくれたほんのひと時の夢……?
奈々美から告げられた事情は、重すぎてとても祐奈の手には負えないものだった。言葉は乱暴だったけれど、確かに彼女の言う通り、ふたりを取り巻く問題は互いの気持ちだけでどうにかなるものではない。
カラリと晴れた空を見上げて、母寛子が目を細める。
そして祐奈を振り返って、微笑んだ。
「晴れてよかったわ」
先週からずっとスッキリしない天気だった。まるで祐奈の心を表すかのように、雨は降ったり止んだりを繰り返していたが、今日は久しぶりに太陽が顔を出した。
宇月町の外れにある小高い山の斜面に整備された砂利の階段を、祐奈は大和を抱いて、母とともに上っている。
今日は父の命日である。
金曜日だが祐奈は休みを取って、父のお墓にやってきた。
しばらく続いた長雨のリベンジとばかりに照りつける太陽に、こめかみから汗が伝う。腕の中の大和はご機嫌だが、とにかく息が切れた。
「大和、ママ疲れちゃったみたい。ばあちゃんが抱いてあげる。ほらおいで」
はあはあと息を吐いて立ち止まってしまった祐奈に、寛子が大和に向かって手を伸ばす。
大和が嬉しそうに小さな手を広げて寛子に抱かれた。
「ちゃんと寝て、ちゃんと食べないから、体力が落ちてるのよ」
母はそう小言を言って、大和を抱いて先を行く。
祐奈は、その背中を見つめながら汗を拭った。
奈々美から大雅についての話を聞かされてから、一週間が過ぎたが、祐奈は前にもまして眠れない夜を過ごしている。食事もろくに喉が通らない。
あの取引の日の朝に『話がある』と言っておきながら、その話をしようともしない祐奈に、母はなにも言わなかった。けれどやはり心配をかけているのだ。
もう子供も産んで母親になったのに、申し訳ないと心から思う。
でも、だからといってどうすればいいのか、自分でもわからなかった。
祐奈の胸に輝くガーネットの東京タワーに、大雅が再び愛を誓ってくれたあの夜が遠い遠い昔のことのようだ。彼と再会して過ごした日々は、夢の中の出来事だったのでは?と思うくらいに。
あれは、彼が自分に与えてくれたほんのひと時の夢……?
奈々美から告げられた事情は、重すぎてとても祐奈の手には負えないものだった。言葉は乱暴だったけれど、確かに彼女の言う通り、ふたりを取り巻く問題は互いの気持ちだけでどうにかなるものではない。