内緒の赤ちゃんごとエリート御曹司に最愛を刻まれました~極上シークレットベビー~
その言葉につられるように父の墓前へ目をやると、確かに白い花と酒瓶が供えられている。手向けられた線香は、短くなってはいたけれど、火がついていて、花はまだみずみずしい。
ついさっき供えられたばかりのようだった。
祐奈は足早に母に追いつき、墓前に歩み寄る。
父の命日には毎年こうやって母とお参りするけれど、こんなことははじめてだった。
亡くなる直前の父の行動が尾を引いて、宇月にいる親戚との付き合いは、あまり頻繁ではなくなった。
ここへ来るのは母と自分くらいだと思っていたのに……。
母が大和を下ろして、墓前の白い酒瓶をそっと手に取る。
そして小さく呟いた。
「……天沢さん」
「え?」
「天沢さんが来てくださったんだわ」
まさか、と言いかけるのをこらえて祐奈は黙って母を見つめる。
母が懐かしそうに目を細めて祐奈を振り返った。
「このお酒、いつも天沢さんが家に来られる時に持ってこられていたお酒よ。宇月では売ってないんだけど、お父さんはこのお酒が好きで……」
そう言って母は愛おしそうに白い酒瓶をそっと撫でる。
そして確認をするように祐奈に尋ねた。
「天沢ホテルが、宇月に来るのはもう決まりなんでしょう?」
祐奈はゆっくり頷いた。
母が嬉しそうにため息をついた。
「きっとそれを報告しにきてくださったのよ」
ついさっき供えられたばかりのようだった。
祐奈は足早に母に追いつき、墓前に歩み寄る。
父の命日には毎年こうやって母とお参りするけれど、こんなことははじめてだった。
亡くなる直前の父の行動が尾を引いて、宇月にいる親戚との付き合いは、あまり頻繁ではなくなった。
ここへ来るのは母と自分くらいだと思っていたのに……。
母が大和を下ろして、墓前の白い酒瓶をそっと手に取る。
そして小さく呟いた。
「……天沢さん」
「え?」
「天沢さんが来てくださったんだわ」
まさか、と言いかけるのをこらえて祐奈は黙って母を見つめる。
母が懐かしそうに目を細めて祐奈を振り返った。
「このお酒、いつも天沢さんが家に来られる時に持ってこられていたお酒よ。宇月では売ってないんだけど、お父さんはこのお酒が好きで……」
そう言って母は愛おしそうに白い酒瓶をそっと撫でる。
そして確認をするように祐奈に尋ねた。
「天沢ホテルが、宇月に来るのはもう決まりなんでしょう?」
祐奈はゆっくり頷いた。
母が嬉しそうにため息をついた。
「きっとそれを報告しにきてくださったのよ」