内緒の赤ちゃんごとエリート御曹司に最愛を刻まれました~極上シークレットベビー~
 二年前の別れの原因がいったいどこにあったのか。ちゃんと話をして、彼の父親について誤解していたことを謝ろうと思っていた。
 でもまさか、彼の口からその話が出るなんて。
 なにか言わなくてはと祐奈は思う。
 けれど、なにをどう言えばいいのか、すぐに思い付かなかった。
「祐奈のお父様は、俺の親父に……天沢ホテルに……」
 これ以上ないくらいにつらそうに、大雅が声を絞り出す。
 まるで父の死の責任は、自分にあるとでもいうかのように。
 うなだれる大雅に、祐奈は思わず声をあげた。
「違う! 違うの大雅!」
 ふたり重なり合った手の上に、もう片方の手を添えてぎゅっと両手に力を込める。
 そしてぶんぶんと被りを振った。
「違うの! ……私、私もずっとそう思っていたんだけど、違うのよ!」
 静かな夜の公園に、祐奈の声が響く。
 通りかかった人がいたら、いったい何事かと驚くだろう。
 でもかまってはいられなかった。
 再会してからの大雅は祐奈にずっと謝りっぱなしだ。
 二年前の別れのこと、大和のこと、奈々美のこと、それから父親たちのこと。
 でもそのどれも彼のせいではない。もうこんな風につらい顔をしてほしくなかった。
「天沢さんが……大雅のお父様が私の父を裏切ったって、確かにあの頃地元ではそう言われていた。私もそう思ってた。だから……だから、二年前大雅が天沢さんの息子だと知って、別れるしかなかったの。でも違ったの!」
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