内緒の赤ちゃんごとエリート御曹司に最愛を刻まれました~極上シークレットベビー~
 会うのはもっぱら祐奈のアパート。
 古くて狭い、窓から東京タワーが見える部屋でふたりは愛を温めた。
 大雅は自らを商社に勤めるビジネスマンだと言っていた。
 祐奈はそれを疑うこともしなかった。
 だがそうして半年が経ったある日、別れは突然やってきた。
 その日は大雅が来ない日だった。
 アパートの呼び鈴が鳴り祐奈が訝しみながらドアを開けると、祐奈と同じ年くらいの綺麗な女性が腕を組んで立っていた。
 栗色の巻き髪に、高そうなワンピースとハイヒール、腕には祐奈などは一生持てないであろうハイブランドのバッグを持っていた。
『あなたが、秋月祐奈さん?』
 挨拶もせずに開口一番そう言って、女性は祐奈を値踏みするように見る。
 祐奈は訝しみながら口を開いた。
『そうですが……なにか?』
『私まどろっこしいのは嫌いなの。単刀直入に言うわ。もう天沢大雅とは会わないで』
『は……?』
 突然の彼女の理不尽な要求に祐奈は眉を寄せて、相手を睨む。
 同時に胸騒ぎを覚えていた。
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