内緒の赤ちゃんごとエリート御曹司に最愛を刻まれました~極上シークレットベビー~
 大雅はそちらを振り返り、小さくため息をつく。
「はい、今行きます。……君も一緒に来て」
 そう告げて、踵を返して階段を下りてゆく背中を見つめながら、祐奈は胸の拳を握りしめた。
 東京タワーの赤い色は、祐奈にとって復讐の色だった。
 父と行った思い出の場所。
 毎日寝る前にその光を見つめて、必ずあの男に頭を下げさせると胸に誓い眠りについた。
 でも大雅と出会ってから、ふたりで見るあの光は、いつも優しい色だった。
 このままふたりでいられるならば、もう復讐なんてどうでもいい、そう思う時もあるくらいに。
 ……本当の彼を知ってから、祐奈はその光を見ることができなくなった。
 固く閉ざしたカーテンを開くことはもうなかった。
 でももし……。
 もし今見たとしたら、自分の目にあの光は、いったいどう映るのだろう。

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