内緒の赤ちゃんごとエリート御曹司に最愛を刻まれました~極上シークレットベビー~
 大雅と祐奈と、大和。
 これからそれぞれ、どんな道を進むのだろう。
「もう、戻らなくちゃ」
 呟いて、祐奈は食べ終えたアイスの包み紙を小さく畳む。
 その手を見つめて、大雅が、ふと思い出したように口を開いた。
「……あの子には、もうアイスを食べさせた?」
 あの子。
 その言葉に祐奈は少し考えて、でもすぐに大和の話だと気が付いた。
 唇を噛んで、また少し考える。そして小さな声で呟いた。
「…………よ」
「え?」
 聞き返されて、祐奈は一旦口を噤む。
 そして今度ははっきりと、その言葉を口にした。
「あの子じゃないわ。……大和よ。大和っていうの、私の息子」
 言い終えて、ある思いを込めて見つめると、大雅は少し驚いたように目を開く。
 その瞳が一瞬揺れた。
「……うん、大和だ……大和。大和」
 掠れた声で嬉しそうに繰り返す彼に、祐奈の胸が熱くなる。
 この先どうするのか、どうしたいのか、山積みになっている難しい問題は抜きにして、今はただ彼に知ってもらいたいと、心から思う。
「大和は、俺たちの子なんだな」
 大雅の、その問いかけに祐奈は素直に頷いた。
「うん、あなたの子よ。……目元も髪もそっくりなの。DNA鑑定なんてしなくてもわかるくら……」
「祐奈……!」
 名前を呼ばれたその瞬間、強い力で引き寄せられて、逞しい腕に包まれた。
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