内緒の赤ちゃんごとエリート御曹司に最愛を刻まれました~極上シークレットベビー~
 今から彼が言おうとしている言葉に対する答えを、祐奈はまだ持ち合わせていない。
 言わないでほしいとも言えなくて、ただ身体を強張らせた。
 繋いだ手にぎゅっと力が込められる。
 深いため息をひとつして、彼はその言葉を口にした。
「祐奈、俺たちやり直そう」
 その言葉に、祐奈は黙って目を閉じた。
 聞きたくなかったわけではない。
 うれしくないわけでもない。
 ただ答えを見つけられない。
「祐奈、君を愛している。二年前からずっと変わらず、俺は君を愛してる」
 大雅の言葉がただ胸に痛かった。
 父が亡くなってからの日々を、祐奈は復讐という言葉とともに生きてきた。
 うす暗い影の世界から出ようともしなかった。
 そんな自分が、愛される資格があるのだろうか。
「君が、なにかを抱えているのは知っている。まだ言えないなら、言わなくてもいい。俺はいつまでも君を待つ。たとえ一生かかっても、俺はもう君と大和のそばを離れない」
 大雅の言葉が祐奈の胸に突き刺さる。
 真剣な眼差しが、祐奈の心に火をつける。
 愛してる。
 私もあなたを愛してる。
 まだ言えないその言葉が、祐奈の頭を駆け巡る。
 想いを込めて見つめ返せば、顎に添えられる大きな手。
 大雅の喉がごくりと動いた。
 ゆっくりと近づく甘い吐息を、祐奈は目を閉じて待ち焦がれる。
「嫌ならつき飛ばしてくれ」
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