身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
それにしても、食欲がないはずなのにこれほど食べたくなるのは予想外で、凛音はこれからの妊娠生活がどんな経過をたどるのか、不安がありつつも楽しみになった。

「でも、この辺りにあったかな……」

凛音がスマホを取りにリビングに行こうとしたとき、来客を告げるインターフォンの音が部屋に響いた。

柊吾の留守中の来客は滅多にない。

宅配だろうかとモニターを見ると。

「え、どうして?」

史緖がにっこり笑い手を振っていた。

「体調が悪くて休んだんでしょう? 昨日も早退したって聞いてびっくりしたよ」

「うん。でももう大丈夫。明日は出社するつもり」

「そうなの? 声はしっかりしてるけど、顔色はよくないよ。無理せず休めばいいのに。社長なら放っておいても大丈夫」
 
史緖はお見舞いと言って持ってきた品々をダイニングテーブルに並べながら、心配そうな顔を凛音に向けた。

「心配かけてごめん。でも、本当に大丈夫。でも、私が休んでるって誰から聞いたの?」

部署も違い毎日顔を合わせるわけでもない史緖がどうしてそのことを知ったのだろうと、凛音は眉を寄せた。

「今日、秘書課に用事でもあったの?」



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