身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「違うよ。この部屋の持ち主から聞いたの」

「この部屋の持ち主……って柊吾さん? どうして……え、それに、それって、まさか塩焼きそば?」
 
史緖が袋から最後に取り出したのは、まさに凛音がデリバリーしてもらおうとしていた塩焼きそばだった。

凛音はテーブルを回って史緖の隣りに立ち、期待に満ちた目を史緖に向けた。

「正解。塩焼きそば二人前」

史緖は凛音の前に塩焼きそばが入った容器を置いた。

「壬生課長から凛音の様子を見に行くついでに届けてくれって言われたんだよね。お腹すいてるから早く食べよう。あ、私はまずこの天津飯と鶏からを食べるし。凛音が好きなごま団子も買ってきたからね」

「あ、ありがとう」

凛音は反射的に礼を言ったが、未だに状況がよく理解できていない。

「柊吾さん……どうして私がこれを食べたいってわかったんだろう」

凛音が電話で注文しようとしたのはほんの十分ほど前だ。

それなのに何故柊吾にはそれがわかったのか、不思議でならない。



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