身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「スピーカーにしてるから凛音もしっかり聞いてて。どうなっても私がいるから大丈夫。それに、壬生課長に限って小高香波と見合いなんてありえな――」

『もしもし』

「え……?」

凛音と史緖はハッと顔を見合わせた。スマホから聞こえてきたのは女性の声だったのだ。

『もしもし? ……えっと、曽我部さんと表示されてたけど、違うのかしら? こちらは壬生柊吾さんの電話ですけど』

滑舌がいいはっきりとした声が聞こえ、凛音は聞き覚えのあるその声にピンときた。

「あ、はい、すみません。曽我部です。あの、壬生課長の部下なんですけど課長は……」

束の間言葉を失っていた史緖が我に返り、慌ててスマホに向かって話しかけた。

『突然出ちゃってごめんなさいね。私たちホテルに戻ってきたばかりなんだけど、柊吾さんは今ちょっと部屋を出ていて。スマホもここに忘れて行っちゃって……すぐに戻ってくると思うわよ』

「え……ホテル?」
 


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