身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
凛音も気になり時計を見ると四時を過ぎていた。

「あの、もしも今日ご都合が悪ければまた日を改めて出直します」

「違うの。都合はまったく大丈夫だから気にしないで。……そうね、シャンプーとカットを終えたころにはちょうど……。じゃあ、下でどんなスタイルがいいか一緒に考えましょうか」

なにが気になるのか、苑花は心ここにあらずという感じで立ち上がると、凛音を手招き階下に向かった。
 
「気分が悪くなったら遠慮なく言ってね。匂いがないシャンプーを使ってるけど、妊娠中肌質が変わるひとがいるし、お湯のにおいすらだめなお客様もいたわよ」

「そうなんですか……。妊娠がわかったばかりでなにも知らなくて。これから勉強してみます」

苑花にシャンプーをしてもらいながら、凛音はその心地よさに目を閉じた。

フルフラットのシャンプー台で目を閉じると、今にも眠ってしまいそうだ。

顔に置かれたタオルも事前に温められていてさらに眠気に誘われる。

「お医者様は今は大丈夫とおっしゃるんですけど、あまり食べられないので赤ちゃんがちゃんと育つのかも心配で」

眠気を逸らそうと、凛音は苑花に話しかけた。




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