身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「小高さんのような有名人と一緒じゃ仕方がないですよ。顔が写っていなかっただけラッキーでしたね」

「だけど小高さんの口が滑ってマスコミには俺だってばれたし。騒がれるのは覚悟してた。なにしろ川北春己の隠し子だって知られてるからな」

柊吾はため息交じりにそう言って、苦笑した。

「とんだ有名人ですね」

凛音は柊吾が背負ってきた煩わしさを想像して切なくなり、柊吾の方に身をすり寄せ唇をかみしめた。

柊吾は昨夜、凛音を安心させるために経緯を説明した。

この数年、柊吾は政界入りを拒否する雅己に代わって地盤を引き継げと迫る父親に困り果てていた。

政治家になるつもりなどなく子どもの頃から母の会社を継ぐつもりでいた柊吾は、大学卒業後壬生レジデンスに入社する予定だったのだ。

ちょうどその頃雅己が政界入りを断固拒否し、春己を激怒させた。

その騒動をマスコミがかぎつけ、春己の隠し子として知られている柊吾が担ぎ上げられるのではないかと色めき立った。



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