身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
『雅己や柊吾に代わって、いずれ私の地盤を継いで政界に入るというのなら結婚を認める』
小高香波の背後にある萩森家の影響力と本人の知名度を考えれば、雅己よりも彼女の方が票を集められると計算したのだ。
「北海道で小高さんと兄と三人で会ったのは、翌日父親との顔合わせ……というより父親の面接だな。それを控えて今後の出方を検討するためだったんだ」
柊吾はそこでひと息つき、凛音の頬に軽いキスをした。
「こう話すとあのふたりは腹黒な父親の駒のようだけど、実際は脳天気なバカップルなんだよ。小高さんは兄と結婚できるなら総理大臣だって目指すって本気で言ってるし兄は兄で小高さんの第一秘書は自分だって今から言ってる。立場がどうであれ結婚して一緒にいられればそれでいいらしい。おかげで父親は俺をあきらめたしめでたしめでたしだ」
柊吾は心底ホッとしたようにそう言って穏やかな笑みを浮かべた。
ようやく父親から解放され、そして結果的に誰も傷つかなかったことに安堵しているようだ。
それだけでなく、たくさんのものを犠牲にしてきた過去に区切りをつけたのかもしれない。
「あっ」