身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
ふと見ると、テレビに見覚えのある景色が映っていた。

「これ、この間まで住んでいた柊吾さんのマンションですよね」
 
テレビに大きく映し出されているのは柊吾のマンションだ。

場所が特定されないようモザイクが施されているが、見るひとが見ればどこなのかはすぐにわかる。

マンション周辺に集まる大勢の記者の姿に、凛音は目を丸くした。

「三角関係なんて記事が出たから柊吾さんのコメントが欲しいのかもしれないですね」

「だろうな。傷心の俺の写真を撮りたいんだろうけど、実際は傷心どころか父親がらみの面倒な案件が解決して幸せすぎるんだけどな」

柊吾はテレビを見ながらおかしそうに肩を揺らしている。

「もしかしたらこの騒ぎを予想して、急いでこのマンションに移ったんですか?」

「ああ。三日前に兄から婚約を公表するって連絡があって、急いでハウスクリーニングやら家具の搬入を手配した。北海道の仕事も前倒し」

「そんなに急がなくてもよかったんじゃないですか?」

あまりにも早い柊吾の仕事ぶりに凛音は驚いた。

それにこの二、三日で家の中を整えるのはかなり大変だったはずだ。



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