身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「俺のせいだな。悪い……とは思ってる」
 
くすりと笑う柊吾を凛音は横目でちらりと見る。

「悪いなんて、思ってないでしょう?」

「思ってるよ。ただ凛音が側にいたら触れずにはいられないから寝かせてやれないだけで。今だって一日中凛音をこうして抱きしめていられる方法を必死で考えてる」
 
柊吾はあっさりそう言って楽しげに笑う。

「それは無理ですよ。今日も忙しいんですよね。あ、鰻ですよ、鰻。お昼の鰻は食べないともったいないです」
 
凛音は柊吾にしがみつきそうになるのを堪えて勢いよく振り、柊吾に言い聞かせる。

「あと、何度も言いますけど、今夜は絶対に寝かせてくださいね。毎晩あんなに激しいと……じゃなくて、何度も何度も深く……じゃなくてえっと」
 
露骨な言葉ばかりを口にし、凛音は恥ずかしくて口を閉じた。

「毎晩何度も気を失うほど激しく俺に抱かれて、気持ちいいけど体がもたないって言いたいのか?」
 
柊吾は膝を折り凛音の顔を覗き込むと、にやりと笑った。

「それに関しては、俺も何度も言うけど、善処するとしか答えてやれないな」

「そんな……善処なんてするつもりないのに……もうっ」
 

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