身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
柊吾の腕の中、凛音目の前にある柊吾の胸元を軽く叩いた。

「怒ってる顔もかわいいし、甘えてるようにしか見えないぞ」

「あ、甘えてません」
 
くっくと笑う柊吾の声に顔をしかめ、凛音は顔を上げた。

その直後、柊吾の端正な顔が目の前に近づき唇が重なった。

「っ……柊吾さん……まだ話が……」
 
凛音は反射的に柊吾の胸を押し距離を取ろうとするが、柊吾の動きは早く凛音を強く抱き寄せた。

「あ、だ、だめです……会社に遅れ――」
 
時間が気になり慌てて柊吾に伝えるが、簡単に口を塞がれ最後まで言葉が続かない。

それどころか柊吾は慣れた仕草で熱い舌を差し入れ、凛音のそれを絡め取る。

「や……」
 
凛音の背中に鋭い刺激が駆け抜け、足もとから力が抜ける。

凛音はすがりつくように柊吾の胸に手をついた。

「おっと。相変わらずキスに弱いな」

「そんなこと……ない」
 
凛音は視線を泳がせる。困ったように眉を寄せ顔は真っ赤だ。

「凛音の弱い場所なら、他にも知ってるぞ」
 
柊吾は肩をすくめ、凛音をぐっと抱き寄せた。

柊吾の胸に飛び込んだ凛音は、とっさに両手を突っ張り抵抗する。



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