身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
柊吾の優しい体温に包まれると、離れたくなくてグズグズしてしまうのだ。

出勤前の今、それだけは避けたい。

「は、はやく食べて仕事に行かなきゃ」

「まずはこっちだ」
 
柊吾は凛音の頭を抱え込み、再び凛音に口づけ口内を刺激し始めた。

凛音が顔を逸らして拒もうとしても、後頭部を押さえつけられ身動きがとれない。

「凛音、俺が教えた通りにちゃんと舌を絡ませろ」
 
独占欲混じりの声に促され、凛音はおずおずと舌を絡ませた。

その途端漏れる柊吾の満足気なため息に、凛音の全身が火照り出す。

柊吾のいつも以上に性急な動きに驚かされるが、求められていると実感し喜びがこみあがる。

ついさっきまで柊吾との関係に悩み落ち込んでいたのが嘘のようだ。

これからも柊吾のそばにいられるのならセフレから愛人に立場が変わってもいいと思ってしまうほど、舌だけでなく体すべてが柊吾に絡めとられていく。

柊吾が何度も口にしていたように、いっそこのままどこかに閉じ込められて柊吾だけを見つめ、柊吾だけに抱かれて過ごしていたい。

そんな不毛な思いが頭をよぎったとき、テーブルに並べたフレンチトーストの甘い香りにハッとした。




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