身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
その扇情的な姿に柊吾は苦しげに唇を引き結び、さらに激しく凛音の体を攻め立てた。

「は……はっ」
 
柊吾の声も次第に熱を帯び額には汗が浮かんでいる。
それからしばらくの間、寝室にはふたりの荒い息づかいが響いていた。




「……どうしよう。遅刻だ」
 
結局昨夜よりも激しく柊吾に抱かれ、凛音は慌ててベッドから飛び降りる。

柊吾が脱ぎ捨てたシャツを羽織り、腰をかばうようにバスルームに向かう動きはぎこちない。

柊吾はベッドの中から凛音のぎこちない後ろ姿をくすくす笑って見ている。

「こうなるのを見越して早めに起こしたから、慌てなくてもいいぞ」
「え? 早め?」
 
寝室から出ようとしていた凛音は、けだるそうに振り返り首をかしげた。

「時計を見てみろ」
「……えっ」
 
柊吾の声に視線を目の前の壁に掛けられている時計に向けた途端、凛音は小さな声をあげた。

「まだ六時? 普段より早い。え、どうして?」

「俺が凛音を起こしにきてなにもしないわけがないだろう? 今日は早めに出勤するって聞いていたからそれに間に合うように抱いたってこと」
 


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